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親権はいらないから離婚したい。親権辞任が認められるケースは?

2022年10月13日
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親権はいらないから離婚したい。親権辞任が認められるケースは?

茨城県水戸市における2020年の婚姻件数は1330件、離婚件数は415件でした。

離婚においては、子どもと一緒に暮らすのが辛く、親権は配偶者に渡したうえで離婚したいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

親権を持たない状態で離婚することは、配偶者との話し合いや、家庭裁判所の判断によって可能です。親権の帰属やその他の財産に関して、納得できる条件の成立を目指して弁護士へ相談することを検討しましょう。

「親権はいらない、離婚したい」と考えている方に向けて、親権者の決定方法や、親権者の辞任が認められるケースなどについて、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスの弁護士が解説します。

出典:「令和2年版統計年報」(水戸市)

1、親権者はどう決まる? 法律上の判断基準

親権者は、父母間の協議(または調停)によって決めるのが原則ですが、まとまらない場合は審判または訴訟によって決定します。

協議・調停において親権者をどのように決めるべきなのか、審判になった場合に重視される要素は何なのかについて、法律上の取扱いを確認しておきましょう。

  1. (1)子の利益を最優先で考慮して決定しなければならない

    協議・調停・審判のいずれにも共通して、親権者(監護者)は、子の利益をもっとも優先して考慮したうえで決定しなければなりません(民法第766条第1項)

    「子の利益」とは、子どもが幸せに暮らせることや、健全な環境で学び、成長していけることなどを意味します。これらの子の利益を、どちらの親がより良く実現できるのかという観点から、親権者を決定すべきということです。

    「子どもと一緒に暮らしたくない」「子どもの世話を押し付けたい」など、親自身の身勝手な都合で親権を配偶者に譲ることは、本来のあり方ではない点にご注意ください。

  2. (2)まずは協議・調停、だめなら審判・訴訟で決定する

    親権者は原則として、父母が離婚する際に協議によって定めます(民法第819条第1項)。
    協議がまとまらなければ、家庭裁判所に調停を申立て、調停委員の仲介の下で協議を継続することも可能です。

    しかし、協議・調停では、親権者をどちらにするかの話し合いがどうしてもまとまらないこともあります。その場合は、家庭裁判所が審判を行って、親権者を父母のどちらにするか決定します(同条第5項)。

    なお、離婚訴訟の判決による「裁判上の離婚」の場合は、判決の中で親権者が指定されます(同条第2項)。

  3. (3)審判・訴訟における親権者決定の考慮要素

    審判または訴訟では、裁判所が客観的な立場から親権者を決定します。

    裁判例の傾向からすると、裁判所は親権者を決定する際には諸事情を比較考慮して総合的に判断しているものと思われますが、その判断基準としては、以下の①~⑥などが挙げられています。

    1. ① 継続性の基準
      長期にわたる監護親との関係を切り離して監護者を変更することは、子の心理的不安定をもたらす危険があることなどを理由に、監護養育の実績がある者を優先するという考えです。
    2. ② 子の意思尊重の基準
      親権者の指定において、裁判所は15歳以上の子の陳述を聴かなければならないとされ(人訴32条4項)、また、おおむね10歳前後であれば意思を表明する能力に問題はないとされているところから、その場合、子の意思を尊重するという考えです。
    3. ③ 母親優先の基準
      乳幼児については、母親の存在が情緒的成熟のために不可欠であり、特段の事情がない限り、母親を優先すべきであるという考えです。
    4. ④ 兄弟姉妹不分離の基準
      兄弟姉妹が生活を共にすることが人格形成上大切であることなどを理由に、幼児期の兄弟姉妹を分離するべきではないという考えです。もっとも、現在は、この基準は上記の基準を補強する基準とされています。
    5. ⑤ 面会交流の許容性
      子が非監護親とも継続的に交流の機会を持つことは人格形成上重要であるとの考え方から、他方の親との面会交流を認めるという面会交流の許容性も補充的に考慮されています。
    6. ⑥ 子の奪取の違法性
      父母のいずれかと安定した生活を送っている子を他方の親が奪取した場合、その行為に違法性が認められるのであれば、違法な行為を追認することはできず、その親は親権者にふさわしくないという考えです。

2、親権放棄は認められるのか?

親権を勝手に放棄することはできませんが、どうしても子どもを育てることができない事情がある場合には、親権辞任が認められる可能性があります

  1. (1)家庭裁判所の許可を得れば、親権者を辞任できる

    親権を行う父または母は、やむを得ない事由がある場合に限り、家庭裁判所の許可を得て親権者を辞任することができます(民法第837条第1項)。

    なお、辞任することによって親権者がいなくなる場合、遅滞なく子どもの未成年後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません(民法第841条)。

    参考:「未成年後見人選任」(裁判所)

  2. (2)親権者の辞任に必要な「やむを得ない事由」とは

    親権者の辞任に「やむを得ない事由」が必要とされているのは、親権者の身勝手な辞任によって子どもの利益が損なわれたり、第三者による不当な圧力によって親権者が強制的に辞任させられたりする事態を防ぐためです。

    そのため「やむを得ない事由」に当たる事情は、以下に挙げるような重大性が高いものに限られます。

    • 親権者が経済的に困窮しており、養育に必要な費用を賄えないこと
    • 重篤な病気やケガにより、親権の行使が困難であること
    • 海外転勤により、親権の行使が困難になること
    • 刑務所への服役により、親権の行使が困難になること
    など


    なお、元配偶者が親権を引き受けてくれる場合には、別の手続きである「親権者変更調停」によって親権者を変更することができます。

    参考:「親権者変更調停」(裁判所)

    親権者の変更は、親権者の辞任よりも緩やかな基準によって認められます。

  3. (3)親権者を辞任しても、養育費の支払い義務や相続権は残る

    親権者を辞任した場合でも、子どもとの間の親子関係が消滅するわけではありません。したがって、親子関係に基づく扶養義務(民法第877条第1項)は存続するため、養育費を負担する義務は残ります

    また、将来的にご自身が亡くなった場合には、子どもが相続権を有します。親権者を辞任したとしても、子どもの相続権が失われることはありません。

3、離婚時に配偶者に対して請求できる項目

親権は配偶者に譲るとして、それ以外にも、離婚時にはさまざまな条件を決めておくべきです。

特に以下の項目については確実に検討を行い、請求できるものがあれば漏れなく請求を行いましょう。

  1. (1)財産分与(+年金分割)

    夫婦が離婚をする場合、婚姻中に取得した財産を公平に分け合う「財産分与」を行います(民法第768条、第771条)。

    特に、ご自身の収入が配偶者よりも少ない場合、財産分与によって金銭等を得られる可能性がありますので、弁護士を通じて適正な金額を請求しましょう。

    また財産分与の一環として、婚姻期間中の厚生年金保険加入記録についても、夫婦間で分割することが認められます(年金分割)。年金分割についても、ご自身の収入が配偶者よりも少ない場合にはメリットがありますので、離婚協議で忘れずに話し合っておきましょう

  2. (2)慰謝料

    離婚原因が配偶者の不貞行為・DV・モラハラなどにある場合、精神的な損害を賠償する慰謝料を請求できます。

    離婚慰謝料の金額目安は、具体的な事情を裁判例等に照らし合わせて決まります。配偶者の行為が悪質な場合には、200万円~300万円程度の離婚慰謝料を請求できる可能性もありますので、弁護士へのご相談をお勧めいたします。

  3. (3)婚姻費用

    離婚成立前に配偶者と別居する場合、婚姻期間中の別居期間につき、互いの生活費や子どもの学費などの「婚姻費用」に関する分担を請求できます(民法第760条)。

    婚姻費用の分担金額は、おおむね裁判所が公表している「婚姻費用算定表」に基づいて求められます。

    子どもの人数や収入バランスによって金額が変わりますが、具体的な計算については弁護士にご確認ください。

    参考:「養育費・婚姻費用算定表」(裁判所)

  4. (4)養育費

    親権を相手に与える場合、ご自身は養育費を支払う側(義務者)になりますが、後日のトラブルを防ぐためにも、離婚時に養育費の支払いを合意しておくのがよいでしょう。

    毎月支払う養育費の金額は、裁判所が公表している「養育費算定表」に基づいて計算するのが一般的です。

    そのほかにも、大学進学費用・塾代・医療費など特別手当の負担を求められる可能性がありますので、弁護士を代理人として交渉することをおすすめします。

    参考:「養育費・婚姻費用算定表」(裁判所)

  5. (5)面会交流

    親権はいらないとしても子どもと定期的に交流したい場合には、面会交流の方法を合意しておきましょう(民法第766条第1項)

    具体的には、面会交流の頻度や場所、普段から子どもと連絡を取ることの可否などを合意します。

    協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に審判を求めることもできますので(同条第2項)、弁護士にご相談ください。

4、離婚や親権に関するお悩みは弁護士へご相談を

「できるだけたくさんお金がほしい」
「親権はいらないが子どもと交流はしたい」

配偶者と離婚するに当たっては、それまでの経緯やご事情次第で、さまざまなご要望があり得るかと思います。

弁護士にご相談いただければ、相談者・依頼者のご要望を踏まえたうえで、それを最大限実現できるように尽力いたします。

配偶者との協議や、調停・審判・訴訟の手続きについても弁護士に一任すれば、精神的な負担も大幅に軽減されるでしょう。離婚や親権に関するお悩みをお抱えの方は、お早めに弁護士までご相談ください。

5、まとめ

「親権はいらないから離婚したい」とお考えの場合、弁護士を通じて配偶者と離婚協議を行うことがおすすめです。

ベリーベスト法律事務所は、親権その他の離婚条件についてバランスよく交渉を進め、できる限り依頼者が望む条件で離婚が成立するように尽力いたします。配偶者との離婚をご検討中の方は、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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