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配偶者への暴力はDVとして逮捕されるおそれあり! DV行為を罰する法律や罰則を解説

2021年05月19日
  • 暴力事件
  • DV
  • 逮捕
配偶者への暴力はDVとして逮捕されるおそれあり! DV行為を罰する法律や罰則を解説

水戸市は「配偶者等からの暴力のない安心して暮らせるまち・水戸」をスローガンに、独自の「水戸市DV対策基本計画」を策定しています。

多様な相談への対応強化やDV被害の早期発見・安全確保・被害者の自立支援などが基本方針として掲げられており、具体的な施策として関係機関との協力体制の強化も実施されているところです。
DV被害を看過することなく関係機関と連携して対処する体制が強化されているので、DVとみなされる行為は、警察に認知されて厳しい対応を受けるおそれが非常に高いでしょう。

配偶者に対する暴力、いわゆる「DV(ドメスティックバイオレンス)」は犯罪です。
たとえ家庭内の出来事だとしても、厳しい罰則が規定されています。

このコラムでは、配偶者へのDVで逮捕されてしまう可能性や、DVの刑罰について水戸の弁護士が解説します。

1、DVは犯罪!逮捕される可能性は高い

少し昔の時代では、家庭内における暴力が「しつけ」や「夫婦問題」という言葉に置きかえられてきました。
妻や子どもに対して手をあげる夫のことを「がんこおやじ」などといって肯定する風潮もあったうえに、警察も民事不介入を理由に積極的な対応を取らなかった時代があったのです。

しかし、現代社会においては、警察や自治体が家庭内暴力に対して積極的に介入し、場合によっては厳しい処罰が下されています。

  1. (1)刑法に触れる場合

    殴る・蹴るなどの暴行をはたらけば、たとえ相手が配偶者や家族などであっても刑法第208条の「暴行罪」が成立します。暴行罪は、相手の身体に対して不法な有形力を行使した場合に成立する犯罪なので、殴る・蹴るなどのほか、首を絞めたり胸ぐらをつかんだりする行為も処罰の対象です。
    また、暴行によって相手に怪我を負わせてしまえば、刑法第204条の「傷害罪」に問われます。出血を伴う傷はもちろん、打撲傷なども怪我に含まれます。

    DVは、行為そのものをとらえて事件化されます。
    暴力をふるえば暴行事件、怪我をさせれば傷害事件としての扱いを受けます。
    暴力を加えた相手が、他人であろうが配偶者であろうが、暴行罪や傷害罪の容疑で逮捕される可能性があるということです。

    暴行罪で有罪になった場合の法定刑は、2年以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金、または拘留、もしくは科料です。
    傷害罪では、15年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

  2. (2)DV防止法に触れる場合

    DVを規制対象とする法律といえば「DV防止法」をイメージする方も多いでしょう。
    DV防止法とは、正しくは「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」といいますが、意外にも「○○をした場合はDVとして罰する」と規定しているわけではありません。

    ただし、DV防止法第10条に基づいて裁判所が下す「保護命令」に違反した場合は、同第29条の規定によって1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

    裁判所が下す保護命令は、次の5つです。

    1. ①接近禁止命令
    2. ②退去命令
    3. ③子への接近禁止命令
    4. ④親族等への接近禁止命令
    5. ⑤電話等禁止命令


    このなかで、③~⑤は接近禁止命令の実効を高めるための付随的な制度であるため、単独で発令されることはありません。

  3. (3)DVとみなされる対象

    DVとは「配偶者暴力」と訳されますが、夫婦間における暴力のみを対象とするのではありません。
    離婚によって婚姻関係が解消されたとしても、婚姻中の暴力についてはDVとみなされます。
    また、内縁・事実婚のほか、生活の本拠を共にする交際関係といった、夫婦同然の間柄であれば「配偶者等」としてDV防止法の保護対象となります。

    一方で、いわゆる「デートDV」と呼ばれるような彼氏・彼女の交際関係における暴力や、生活の本拠を共にしているとはいえない程度の半同居関係における暴力は、DV防止法の保護対象とはなりません。

2、DVの検挙実態

警察庁が公開している統計によると、令和2年中に警察が受理したDV事案の相談件数は全国で8万2643件にのぼり、統計を始めた平成13年から増加しています。
DVに対する取り締まりは、法改正などを通じて着実に強化されているので、検挙されてしまうおそれは非常に高いと考えるべきでしょう。

ここでは、DVの検挙実態について触れていきます。

  1. (1)DV検挙件数の推移と傾向

    令和2年におけるDV検挙件数は次のとおりです。

    • 刑法犯・特別法犯…8702件
    • 保護命令違反…76件


    刑法犯・特別法犯による検挙件数は、平成23年に2424件を記録したのち、翌平成24年には4103件まで倍増しました。統計が始まって以後、令和元年まで17年連続で増加しており、令和2年にはじめて減少傾向に転じています。

    一方で、DV防止法に基づく保護命令違反の件数は、平成24年の121件をピークに減少傾向で、令和2年は76件にとどまりました。そもそも保護命令の申し立てについてハードルが高く十分に活用されていないという問題もあり、検挙件数は多くありません。

  2. (2)実際の検挙事例

    DVの検挙でもっとも多く適用されている罪種は、刑法の「暴行罪」と「傷害罪」です。
    令和2年中では暴行罪が5183件、傷害罪が2626件で、刑法犯・特別法犯で検挙された事例全体の89.7%を占めています。

    令和2年8月には、群馬県警察の警察官として勤務していた男が妻に暴力をふるい、傷害罪の疑いで逮捕される事件が発生しました。
    また、同年5月には、タレントの男が妻の顔面をたたいて暴行容疑で逮捕されています。

  3. (3)さまざまな法令を駆使した検挙

    DVは、殴る・蹴るといった直接的な暴力のみを対象としているのではありません。
    たとえば、家財道具などを破壊する行為もDVとみなされるので、刑法の器物損壊罪が適用された検挙事例が94件もありました。

    また、セックスの強要もDVとみなされるので、強姦(ごうかん)罪や強制わいせつ罪が適用された事例もありました。
    殺人・殺人未遂・傷害致死・脅迫・住居侵入・逮捕監禁などのほか、現場臨場した警察官に対する公務執行妨害などによる検挙事例もあります。

    さらに、刑法に規定されている犯罪だけでなく、近年では暴力行為等処罰法といった特別法を適用して検挙される事例も増えています。

3、暴力行為等処罰に関する法律とは?

令和元年中のDV検挙事例のなかで、暴行罪・傷害罪に次ぐ多さの314件に適用されたのが「暴力行為等処罰法」です。

  1. (1)暴力行為等処罰法の概要と事例

    暴力行為等処罰法とは、正しくは「暴力行為等処罰ニ関スル法律」といいます。
    カタカナ表記が混じっていることからもわかるとおり、大正15年に制定されて以後、現在でも適用されている古い法律です。

    もともとは団体・多数による集団的な暴行・脅迫・器物損壊などを罰する目的で制定されたもので、労働運動や学生運動の取り締まりが対象となっていました。
    また、現在では暴力団・暴力団員による強要・脅迫行為に対して積極的に適用されています。

    令和2年1月には、千葉県内の暴力団幹部が飲食店経営の男性を脅迫したとして暴力行為等処罰法違反で逮捕されました。
    また、令和元年12月には、神奈川県内の高校生が複数の仲間と共謀し、元同級生の男子に対しスタンガンなどを使って暴行を加えたとして、暴力行為等処罰法違反で逮捕されています。

  2. (2)DV事件にも積極的に適用されている

    暴力行為等処罰法は集団による暴力行為等を処罰の対象としている法律ですが、最近ではDV事案にも積極的に適用されています。

    暴力行為等処罰法第1条の2には「銃砲または刀剣類を用いて人の身体を傷害したる者」に対して1年以上15年以下の懲役を科すことが規定されています。
    これは、凶器を用いない通常の傷害罪よりも重い刑罰です。
    配偶者を包丁で切りつけたなどのケースに適用されるほか、未遂の場合も処罰の対象となるため、刃物を向けて切りつけようとする行為も罰せられます。

    また、同法第1条の3は常習的な傷害・暴行・脅迫・器物損壊に対して刑罰を加重する旨が規定されています。
    日常的にDV行為をはたらいていれば常習とみなされてしまい、傷害罪では1年以上15年以下の懲役、そのほかでは3か月以上5年以下の刑罰が科せられるおそれがあります。

4、DV容疑で逮捕された場合に取るべき行動

DV事案の加害者には、配偶者間や非常に親しい間柄での事件でも重い刑罰が科せられます。
もしDV容疑で逮捕されてしまった場合は、どのような行動を取るべきなのでしょうか?

  1. (1)配偶者への謝罪と示談交渉

    まずは被害を与えてしまった配偶者などに対して真剣に謝罪し、許しを請うのが先決です。
    夫婦・家族として生活を送るためには、さまざまなトラブルを乗り越える必要があります。
    暴力に訴えるという粗暴な手段にでてしまったことを深く反省し、その気持ちを伝える必要があるでしょう。

    とはいえ、たとえ夫婦・家族の間でも、謝罪だけでは許しを得られないケースも少なくありません。この場合は、慰謝料や治療費などを含めた示談金を提示して、示談成立を目指すのも有効です。
    配偶者との示談が成立し、被害届・告訴の取り下げがなされれば、検察官が不起訴処分を下す可能性があります。

  2. (2)カウンセリングや更生プログラムを受ける

    DV事案は、加害者にも悩みや不満があるものです。

    幼少時に虐待を受けた経験があったり、会社でのストレスを解消できず、つい暴力的になってしまったりといったケースも決してめずらしくはありません。

    そのときの感情だけで「反省している」と謝罪しても通用しないので、専門医のカウンセリングやDV加害者の更生プログラムを受けて、根本的な解決を図るべきです。
    DV容疑で逮捕されてしまった場合は、カウンセリングなどを積極的に受けて、自らがDVの再発を防止していくという姿勢を示す必要があります。

  3. (3)弁護士への相談

    DV容疑で逮捕されてしまったら、直ちに弁護士に相談してサポートを受けましょう。
    弁護士は、勾留が決定して面会が可能となる72時間までの期間でも、自由に接見可能です。

    逮捕初期の供述はその後の処分にも大きな影響を与えるので、取り調べ対応へのアドバイスを受けることでその後の不利な展開を回避できる可能性があります。
    また、配偶者との示談交渉やカウンセリング可能な専門家のピックアップといった対策のサポートも受けられるので、不起訴処分の獲得を目指すなら弁護士への相談は必須です。

    DV事案は、罪名にすれば暴行・傷害などでも、大きくみれば夫婦間・家族間の問題であることは間違いありません。
    離婚問題にも直結するので、法律の専門家である弁護士に相談することで、全体的なトラブル解決が期待できます。

5、まとめ

夫婦間・家庭内での暴力が「家庭の問題」「民事不介入」と見過ごされてきた時代は終わりました。

現代では、DV事案として警察・自治体が連携し素早く対処するため、逮捕され刑罰が科せられるおそれがあります。
たとえ夫婦間であっても厳しい刑罰が科せられるので、DV容疑で逮捕されてしまった場合は不起訴処分を目指した対応が必要です。

DV容疑をかけられてしまい捜査の対象になっている、DV容疑者として逮捕されてしまったとお困りであれば、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスにご相談ください。
DV事案をはじめとした刑事事件の解決実績を豊富にもつ弁護士が、不起訴処分を目指して全力でバックアップします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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