突然の解雇予告! 解雇通知書がもらえない場合の対応方法とは?
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総務省統計局は、2017年度平均の完全失業者は183万人と発表しました。
日本の終身雇用制度は崩壊しつつあり、最近では大企業のリストラも珍しくはありません。
突然、会社から解雇予告を受けた場合、「解雇に従わなければならないのか?」「対応方法や解雇された場合の不利益はあるのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
解雇理由によっては解雇自体が無効となることもあります。
不当解雇か否かの証拠として解雇通知書は重要ですが、解雇通知書がもらえない場合もあります。
ここでは、解雇通知書がもらえない場合の対応方法について、ベリーベスト法律事務所・水戸オフィスの弁護士が解説していきます。
1、解雇予告通知書とは
解雇予告通知書とは、会社が従業員との雇用契約を解除する旨を事前に通知するための文書です。労働基準法により、従業員に対して30日前に解雇予告することが義務付けられています。たとえば、3月31日付けで解雇する場合は、3月1日までに予告する必要があります。解雇予告を受けた従業員は、解雇までの期間で今後の対応を考えていきます。
解雇予告通知書の記載事項に関しては、厳密に規定されていませんが、解雇する日や解雇理由、解雇理由に当てはまる就業規則などが記載されています。
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(1)解雇予告を口頭で受けた場合
場合によっては、解雇通知書ではなく解雇予告を口頭で受ける場合もあります。
解雇予告を口頭のみで受けた場合は、解雇日や解雇理由などが書面で残りません。そのため、会社に解雇通知書や解雇理由証明書を請求しましょう。従業員の解雇理由の開示請求に対して、会社は解雇理由証明書を交付する義務があります。 -
(2)通知書がある場合
解雇予告通知書がある場合は、解雇理由証明書も会社側に請求しておきましょう。解雇の理由の詳細を書面で残しておくことで、後々の会社とのトラブルを未然に防ぐことができます。
2、解雇予告通知書をもらったときに確認すべきこと
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(1)不当解雇ではないのか?
解雇予告通知書をもらったときは、解雇理由の詳細を確認しましょう。自身の解雇が、不当解雇でないかを確認する必要があるためです。労働契約法により、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」とされています。不当解雇の場合は、解雇自体が無効になることもあります。
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(2)不当解雇の例
不当解雇の例として、
- 通院による欠勤
- 労災による疾病
- 妊娠や出産
- 会社への意見
- 上司との不仲
- 業務態度について注意や指導しない
- 学歴や国籍などによる能力不足
等の解雇理由があげられます。
不当解雇が否かの判断は、職種や個々のケースによって異なります。 -
(3)解雇理由は?
解雇予告通知書を受け取った際は、解雇理由を必ず確認しましょう。解雇理由が、労働者の業績や能力などを理由にする普通解雇か、事業縮小による整理解雇か、違反行為などによる懲戒解雇なのかを詳しく記載してもらい、確認することがポイントです。
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(4)解雇理由証明書の重要性
前述の通り、解雇理由証明書は解雇を告げられたら直ちに会社に請求しておきましょう。書面で、解雇理由が残っていると、後々の交渉や裁判の際に有利にはたらくことがあるためです。解雇理由証明書は、内容証明郵便によっても会社側に請求することができます。
3、解雇を受け入れる場合に注意すべきこと
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(1)辞職届や退職同意書を提出しない
解雇を受け入れる場合は、辞職なのか、会社都合による解雇なのかは非常に重要なポイントとなります。辞職か、会社都合による解雇なのかは、退職金の有無にも関わってきます。また辞職の場合は、交渉や裁判で退職の有効性を争うことができません。そのため、解雇を受け入れる場合も辞職届を提出したり、退職合意書にサインしたりしてはいけません。
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(2)解雇を受け入れる場合も弁護士に相談を
解雇を受け入れる場合も、会社側と有利に交渉をすすめるためには解雇理由証明書を要求し、証拠を集めることが大切です。会社との交渉や解雇理由証明書の要求が難しい場合は、弁護士に相談をしましょう。弁護士が代理人となり、解雇理由書を取り寄せ・交渉を行うことができるため、直接会社と顔を合わせずに済みます。
4、解雇を拒否する場合に注意すべきこと
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(1)不当解雇の証拠を残す
解雇を拒否する場合、不当解雇であることを主張し、会社と交渉することがあります。不当解雇を会社が認め、解雇を撤回してもらうためには、証拠を集める必要があります。証拠となり得るものを説明します。
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(2)録音
上司が退職を伝えたり、勧めたりしている会話をボイスレコーダーなどに録音しておきましょう。録音した日付をメモしておくことも必要です。
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(3)解雇予告や理由を書面化する
解雇を伝えられたら、すぐに解雇理由証明書を会社に請求します。解雇理由は具体的に記載してもらいましょう。
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(4)メール内容を残しておく
上司などからの退職に関するメールは重要な証拠となり得ます。メールをデータまたは印刷して残しておきましょう。
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(5)解雇を拒否する場合も弁護士に相談を
解雇を拒否する場合は、不当解雇に当たるのかどうかを会社側と争っていくことになります。弁護士に相談すると、労働審判や労働訴訟などの法的な手続きをスムーズに利用できます。また、自身の事例が不当解雇なのか判断が場合も、まずは弁護士に相談してみましょう。
5、解雇予告された場合の相談先
次に、解雇予告された場合の相談先に解説します。
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(1)労働組合
労働組合は、場合によっては会社側に解雇についての抗議と労働者側からの申し入れを行ってくれます。自分の会社に労働組合がなかったり、頼りにならなかったりする場合は、外部の合同労組を相談先として利用することもできます。
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(2)労働基準監督署
労働基準監督署は、企業が労働基準法を守っているか監督する役割があります。解雇にともなって、未払いの賃金や残業代が発生している場合は企業に指導勧告を行うことにより企業の姿勢があらたまる可能性があります。
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(3)都道府県の労働局
労働局は各都道府県に設置されており、会社と従業員の労働問題のあっせんを行っています。労働局のあっせん手続きを利用した場合、紛争調整委員会が会社と従業員の間に入り、交渉がすすめられます。当事者同士の話し合いや交渉に比べて、紛争調整委員会からのあっせん案の提示があると、スムーズに交渉がすすむこともあります。しかし、あっせん案には強制力はありません。そのため、会社と従業員のお互いが合意できなければ解決には至りません。
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(4)弁護士
弁護士は、解雇問題や労働契約関係などの法律の知識を幅広く持っており、解雇予告の相談から労働裁判までサポートします。解雇予告を受けた場合も、会社との直接交渉や書類の請求を代わりに弁護士が行ってくれます。初回の無料相談を実施している法律事務所もあるため、おおよその見積もりをたてておくと弁護士費用についても安心です。
6、まとめ
突然の会社からの解雇予告は、戸惑うことも多いと思いますが、冷静に対応することが大切です。特に、解雇の予告や解雇理由を「解雇予告通知書」や「解雇理由証明書」として書面で会社からもらっておくことは重要になります。
解雇通知書をもらえない場合も、個々のケースに応じた相談先に相談し、適切に対応しましょう。
解雇通知書を事前にもらっておくことで、解雇に関する証拠になり、後々の交渉を有利にすすめることができる可能性があります。
自分一人で会社に解雇理由書を要求するのが大変な場合は、ベリーベスト法律事務所・水戸オフィスにご相談ください。弁護士があなたの代理人となって解雇理由書を取り寄せ、交渉を行っていきます。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています