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辞めさせたい社員、穏便に辞めてもらう方法はある?

2021年06月03日
  • 労働問題
  • 辞めさせたい
  • 社員
辞めさせたい社員、穏便に辞めてもらう方法はある?

コロナ禍により業績不振に陥り、人員削減のために早期(希望)退職者を募集する会社もあるでしょう。業績不振により社員の退職を促す以外にも、スキル不足や問題を起こすなどの理由から特定の社員を辞めさせたいというケースもあるのではないでしょうか。

しかし、特定の社員を辞めさせたいと思っても、会社としては簡単に辞めさせることはできません。社員には、労働者としての権利があるからです。それでは、辞めさせたい社員がいるとき、会社はどのようにして穏便に退職を促すことができるのでしょうか。

解雇の可否も含めて、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスの弁護士が解説します。

1、社員は簡単に辞めさせられない

会社が一度雇った社員を辞めさせるのは、容易ではありません。なぜなら、会社が労働者と労働契約を結んでいる以上、会社も労働者の権利を侵害してはならないと労働基準法等で定められているからです。そのため、会社が特定の社員を辞めさせたいと思っても、その社員に退職の意思がない限り、辞めさせるのはかなり難しいといえます。

労働契約法第16条には、「客観的に合理性な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」は、解雇権の発動は権利の濫用とされ、無効となると定められています。
つまり、解雇するためには、「客観的に合理的な理由」が必要ですし、その上、「客観的に合理的な理由」が存在するとしても、解雇することが社会通念上相当であると言えなければなりません。

労働者が仕事を失うと収入がなくなり、生活が困難になってしまうため、法は安易な解雇を許していないのです。

2、解雇にはどんな種類がある?

会社側にも、業績不振から人件費を削減したい、問題のある社員の退職を促したいといった事情もあるでしょう。
では、社員を解雇するにはどのような条件があるのでしょうか。まず、解雇の種類とそれぞれの条件についてみていきましょう。

  1. (1)普通解雇

    普通解雇とは、懲戒処分として行われる解雇以外を指します。勤務成績・協調性の欠如などの勤務態度、勤務不可能な傷病を理由とする場合は、普通解雇です。

    会社が社員を解雇する場合、就業規則にある解雇事由に該当することを明らかにした上でなすべきです。また、社員の勤務態度に問題があったとしても、会社はいきなり解雇するのではなく、改善のために適切な指導や処置を行わなければなりません。

    警告、出勤停止、減給など解雇を回避するための手段を講じても尚、改善されなかった場合に最終手段として解雇が相当であると評価され得ることになります。

    さらに、普通解雇の要件として、各法令が規定している解雇制限に違反しないことも注意しなければなりません。法令違反にあたるのは、たとえば以下のような解雇です。

    • 女性が産前産後の休業を取得したことを理由とする解雇
    • 社員の国籍や信条、社会的身分を理由にした解雇


    こうした解雇は法律で禁止されているため、解雇理由として認められません。

    これらの条件を満たしたうえで、

    • 30日前までに解雇予告をする
    • 解雇予告手当(ただし平均賃金の30日以上の金額)を支払う


    のどちらかの手段で、社員を普通解雇とします。

    労働者が自分の意思に関わりなく突然解雇されしまったとき、収入を失っては生活が困窮してしまうおそれがあります。そのため、会社は事前の解雇予告または相当する手当を支払わなければなりません

  2. (2)懲戒解雇

    懲戒解雇とは、就業規則など会社の規定に反した社員に、会社からペナルティーとして課せられる解雇処分を指します。懲戒解雇はとても重い処分で、たとえば会社の金銭を横領したなどの犯罪行為に及んだ場合になされます

    懲戒解雇の場合、社員への解雇予告は不要で、会社は即時解雇することができます。もっとも、30日前に予告しない場合は、労働基準監督署長による解雇予告除外認定を受けていない限り、解雇予告手当支払義務が発生します。

    なお、懲戒解雇の場合は退職金を支払わないとしている会社が一般的です。

  3. (3)整理解雇

    整理解雇とは、いわゆるリストラの場合を指します。普通解雇のひとつでもありますが、整理解雇は会社の経営上の理由により実施される解雇のことをいいます。

    整理解雇をするには、過去の裁判事例から、4つの要件を満たす必要があると解釈されています。

    • 人員削減の必要性が存在すること
    • 会社が解雇回避の努力を尽くしたこと
    • 解雇者の選定基準及び選定の合理性
    • 事前に説明・協議義務を尽くしたこと


    これらの要件を満たしていれば、解雇権の濫用と判断されるおそれは低くなるでしょう。4要件を満たしていないにもかかわらず解雇してしまうと、解雇権濫用に該当し(労働契約法16条)に解雇が無効になるおそれがあります。整理解雇を行う際も、慎重に検討しなければなりません。

3、辞めさせたい社員への対処法

適切な指導や対策をしたにもかかわらず、社員側に改善が見られないのであれば、会社として前述のような解雇処分をなす、もしくは退職を促すことになるでしょう。その場合、次のような対処法が考えられます。

  1. (1)退職を勧奨し、円満退職を目指す

    会社が社員に対して退職を促す行為を退職勧奨といいます。これは、会社が辞めさせたい社員に対し退職を「勧める」行為ですので、強制力はありません。社員に対して退職の交渉を行い、決裂すれば、最終手段として解雇にいたることもあるでしょう。しかし社員側も、解雇理由によっては転職活動において不利になる場合があります。条件によっては、退職に同意するかもしれません。

    社員側の言い分も聞き、双方が納得できるよう交渉したうえで、円満退職を目指すのが好ましいでしょう。

    ただし、しつこく従業員へ退職勧奨を繰り返すと、違法な退職勧奨(不法行為)として損害賠償請求の対象となってしまう可能性もあります。交渉には細心の注意が必要です。

  2. (2)裁判も視野に入れ、弁護士に相談する

    円満退職が難しく、社員を解雇することになれば、不当解雇として裁判に発展するかもしれません。その可能性も視野に入れ、解雇処分をなす前に、弁護士に相談をされることをおすすめします。また、当該社員との交渉を弁護士に委ね、再度、円満退職での解決を目指してみるのも良いでしょう。

    弁護士に交渉を任せることにより、解雇処分を回避し、円満退職にて解決できるよう、当該社員への説得や退職の条件について交渉してもらうことが期待されます。

    それでも円満退職とならず、解雇処分をせざるを得ないケースもあるでしょう。そして、解雇処分後、当該社員が解雇の有効性を争い、裁判になることもあり得ます。その場合は、会社側が解雇権の濫用ではないことを基礎づける事情につき、主張・立証する必要があります。

    解雇権を濫用したと判断されないためにも、就業規則にはあらかじめ解雇事由について詳細に規定しておきましょう。社員側が解雇事由に規定している行為をしていれば、解雇の正当性を主張しやすくなります。また、他の社員に対しての抑止効果も期待できます。

    弁護士に依頼すれば、就業規則の規定についても、紛争予防の観点からアドバイスを受けることも可能です過去の裁判例などから、不当解雇にならないよう適切な対応を教えてもらえるでしょう

4、まとめ

会社にとって、問題行動を起こす社員がいた場合、辞めさせたいと考えるのはよくあることです。しかし、社員にも労働者としての権利があるため、会社としては簡単に辞めさせることはできません。どうしても辞めさせたいなら、解雇の手続きに従うか、退職を勧奨し社員の意思で辞めてもらうか、どちらかの方法になります。もし、辞めさせた社員による口コミなどがネット上で発信されたり、不当解雇だと訴えられたりすれば、会社として社会的信用を失うことにもつながります。

双方が納得したうえでの円満退職を目指すためにも、弁護士に相談してみることをおすすめします。

水戸オフィスの弁護士は、会社としての適切な対応をサポートするとともに、リスク防止から、辞めさせたい社員との交渉など、力を尽くして対応します。辞めさせたい社員がいるけれど、どうしたらよいのか分からないとお困りの経営者の方は、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスへお気軽にご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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