旦那がJR常磐線で痴漢容疑で逮捕! 妻が知っておきたい逮捕後の流れを水戸オフィスの弁護士が解説

2018年08月09日
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旦那がJR常磐線で痴漢容疑で逮捕! 妻が知っておきたい逮捕後の流れを水戸オフィスの弁護士が解説

会社員として勤務している旦那をいつも通り送り出し家事に大忙しの朝、突然、警察からの電話がかかってきました。電話の内容は「ご主人が通勤中のJR常磐線の車内で女性に痴漢をしたので逮捕しました」という内容でした。

JR常磐線は、東京への通勤によく利用されている路線で、通勤時間は非常に混雑しています。旦那がJR常磐線を利用しているというご家庭は、ある日突然、このような事態が起こりうる可能性があります。

妻としてはこんな時、どうすればよいのでしょうか。対策を考えるために重要なことのひとつは、今後旦那の身柄がどのように取り扱われるかを知ることです。 今回は、JR常磐線などの通勤電車内で痴漢容疑により旦那が逮捕された場合の逮捕後の流れを、水戸オフィスの弁護士が解説します。

1、痴漢で逮捕された場合の刑事手続き

痴漢は、被害者が犯人と思われる人の手や衣服をつかんで叫んだり助けを求めたりすることで発覚します。その後、加害者は駅員に引き継がれ、警察に身柄を拘束され逮捕となります。

一口に「痴漢」といいますが、痴漢には刑法に規定されている強制わいせつ罪にあたる行為と、都道府県が定める迷惑防止条例違反にあたる行為の2つがあります。
一般的には、陰部などを直接まさぐるような行為を強制わいせつ罪、衣服の上から身体を触る行為を迷惑防止条例違反というのが、区別の仕方のひとつです。電車内の痴漢のほとんどは、迷惑防止条例違反に該当します。
なお、JR常磐線が走る茨城県の場合、電車内の痴漢行為は「茨城県公衆に著しく迷惑をかける行為の防止に関する条例」という条例の第2条の違反にあたります。

  1. (1)逮捕後48時間以内の手続き

    逮捕されて警察に引き渡された痴漢の犯人は、警察署で身柄を拘束されて痴漢を犯した事実についての取り調べを受けます。
    ここでの警察の持ち時間は48時間しかありません。取り調べにあたる警察官は痴漢の事実を認めさせるために威圧的な取り調べをおこなうこともあります。
    逮捕から48時間以内に、警察は犯人の身柄と逮捕に至った経緯をまとめた書類を検察庁に引き渡します。この手続きを送致(送検)と呼びます。

  2. (2)逮捕後72時間以内の手続き

    警察から痴漢犯人の身柄の引き継ぎを受けた検察官は、逮捕から72時間以内に、引き続き犯人の身柄を拘束する必要があるのかを判断します。拘束の必要があると判断された場合は、裁判所に「勾留請求」がおこなわれます。
    これが認められれば10日間、場合によってはさらに10日までの延長があり、最長で20日間の勾留期間で引き続き警察による取り調べを受けることになります。

  3. (3)逮捕後23日以内の手続き

    検察官は、最長20日間の勾留が満了するまでに、犯人の罪を問うための裁判を起こすか、裁判を起こす必要はないかを判断します。裁判の必要があると判断された場合は、起訴されることになります。起訴されると裁判まで引き続き身柄を拘束されますが、保釈金を支払うことで釈放されることもあります。

    その一方、検察官が犯罪は成立しないと考える場合は不起訴に、犯罪が成立していても刑事裁判を起こして罪を問う必要まではないと判断すれば起訴猶予という処分になります。
    不起訴、起訴猶予になれば、刑事裁判を受けることはないので釈放されます。

2、勝負は逮捕から72時間以内

痴漢で逮捕されてしまった旦那のため妻ができることは、痴漢をした事実があったにしろ、なかったにしろ、できるだけ早く釈放されるように援護することです。
そして、その援護は「逮捕から72時間以内」に手を打つことが重要です。

  1. (1)なぜ「72時間以内」が重要なのか?

    すでにご説明したように、逮捕後72時間以内に、検察官は引き続き身柄を拘束する必要があるのかを判断して、裁判所に勾留請求をおこないます。そして勾留請求が認められてしまうと、最長20日間は勾留が続くことになります。
    反対に、勾留請求が却下されたり、そもそも勾留請求がされなかった場合は72時間以内に釈放されます。
    つまり、逮捕された旦那ができるだけ早く釈放されるには「72時間以内に勾留請求されないように働きかけること」が重要なのです。

  2. (2)勾留請求を防ぐには?

    勾留請求を防ぐために有効となるのが「被害者との示談」です。
    被害者に謝罪のうえで示談がまとまれば、被害届を取り下げてもらい、捜査を打ち切らせることができます。

  3. (3)勾留請求が認められてしまったら?

    勾留請求が認められても、裁判所に対して勾留理由開示請求や準抗告という手続きをとれば、勾留が不当であったと判断されて釈放されることがあります。

3、旦那が痴漢で逮捕されたらまず弁護士に相談を

旦那が痴漢容疑で逮捕されたら、まずは速やかに弁護士に相談しましょう。
痴漢容疑で逮捕された旦那を早期に釈放するためには、弁護士のサポートを受けて、勾留を防ぐためのアクションを起こす必要があります。

なお、警察署の留置所で身柄を拘束されている間(最長72時間)は、妻といえども旦那と面会することはできません。旦那と面会できるのは弁護士だけなのです。

  1. (1)被害者との示談交渉を進める

    一般的に、犯罪の加害者側には被害者の住所や氏名などは明かされません。
    特に痴漢事件は、顔見知りの関係で起きることは稀であるため、加害者側としては、どこの誰が被害者であるのかを知ることが困難です。そのため、示談交渉はおろか、謝罪の言葉を述べる機会も得にくいといえます。仮に連絡先がわかっても、被害者の感情面の問題から、直接示談しようとしても、上手く進まない可能性も考えられます。

    そのため、被害者との示談交渉を進めるには、弁護士を間に入れるのが得策です。示談がまとまれば、被害届が取り下げられることで処罰の必要がなくなり捜査が打ち切られることも期待できます。また、それが逮捕後72時間以内であれば、勾留請求の理由もなくなって最短で3日以内の釈放も実現可能です。

    また、仮にその期間が過ぎたあとに示談がまとまった場合でも、釈放の可能性はあります。

  2. (2)勾留の取り消しを目指す手続きをする

    一旦は裁判所が認めた勾留請求であっても、準抗告や勾留理由開示請求といった手続きができます。ただし、一旦認められた勾留を解除させることは簡単ではありません。手続きをとる場合は、少なくとも弁護士への相談はしたほうがよいでしょう。

4、まとめ

今回は、旦那が痴漢容疑で逮捕された後の流れなどを解説しました。
妻としては、逮捕の連絡を受けた直後は冷静さを保つことが難しいと思いますが、早期の釈放を得るためには、まず逮捕後の72時間が勝負です。一度心を落ち着けて、今後の対策について弁護士に相談することをおすすめします。

また、仮に逮捕から72時間が過ぎてしまっていても、講じる策がないわけではありません。状況に応じた適切な動きをするためにも、弁護士のサポートを得たほうがよいでしょう。
旦那が痴漢事件で逮捕されてしまい弁護士に相談すべきかお悩みの方は、ぜひベリーベスト法律事務所 水戸オフィスにお任せください。
ご納得のいく結果が得られるように、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスの弁護士が全力を尽くします。

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