盗撮した後日逮捕されてしまう可能性はある? 逮捕前にしておくべきこととは?

2019年09月13日
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盗撮した後日逮捕されてしまう可能性はある? 逮捕前にしておくべきこととは?

平成29年11月に水戸地検に勤める男が盗撮を行い、県迷惑防止条例違反として有罪となり、辞職することになったと報道されました。盗撮は許されざる犯罪行為のひとつであり、盗撮を行ってしまった場合は警察に逮捕され、刑事裁判が開かれる可能性があります。盗撮行為は被害者の肖像権を侵害するだけではなく、身体の見られたくない部分を他人に見られてしまうという恥辱を味わわせてしまう行為です。

今回は、盗撮を行ってしまった場合、犯行後日に逮捕されるか否か及び逮捕されるとどうなるかについて、さらには逮捕される前に行っておいたほうがよいことなどを解説します。盗撮に手を染めないことがベストですが、もし衝動的に行ってしまった場合、一体どのような選択をするのがよいのでしょうか。

1、盗撮行為と後日逮捕される可能性

盗撮は主に現行犯逮捕として身柄を拘束されることが多い傾向があります。しかし、後の捜査で容疑が認められた場合、犯行当日ではなく後日になって逮捕される可能性もあります。

  1. (1)後日逮捕されるときに行われる手続き

    現行犯逮捕ではない場合、逮捕には裁判所が発行する「逮捕状」が必要になります。逮捕状によって逮捕されることを法令上は「通常逮捕」と呼びます。

    「通常逮捕」の要件は、逮捕の理由と必要性が認められることです。逮捕の理由とは「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」、逮捕の必要性とは「被疑者が逃亡するおそれ」や「被疑者が罪証を隠滅するおそれ」をいいます。盗撮行為が見つかっている状態で逃亡を図った場合には、逮捕される可能性が高いでしょう。

    また、街頭での盗撮行為は主に「迷惑防止条例違反」によって逮捕されることが多い犯罪です。「迷惑防止条例」は、国ではなく自治体によって制定されているルールです。各自治体によって詳細や量刑が異なりますが、水戸市がある茨城県の場合は「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」と規定されています。常習と認められてしまうと、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」に処されることになります。

  2. (2)後々の事件化の可能性

    もし盗撮行為をしてしまった場合、その現場で発覚しなくても後々事件化する可能性は十分にあります。

    写真などが出回ることにより、被害者が盗撮に後で気づいて警察に相談する場合や、盗撮道具を誰かが発見して、通報により発覚する場合もあります。また、防犯カメラなどで犯行中の様子が録画されている可能性もあるでしょう。当日逮捕されなかったとしても、「逮捕されない」ということではありません。

    もし盗撮行為をしてしまったときは、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談したほうがよいでしょう。

2、盗撮によって後日逮捕に至る場合の警察の動き

では、盗撮による後日逮捕が行われる場合、警察の動きがどうなるのか見ていきたいと思います。

  1. (1)警察が家に来て後日逮捕(通常逮捕)される

    盗撮行為で後日逮捕される際、流れのひとつとしては、警察が家にきてそのまま通常逮捕されることが挙げられます。前述したとおり裁判所から逮捕状が発行されていますので、いくら拒否したところで強制的に身柄の拘束を受けることになります。

  2. (2)警察から呼び出しを受け、任意の取り調べを受ける

    逮捕されずに事情聴取を求められるケースも少なくありません。この場合は、あくまでも「任意」という形で同行を求められます。「任意」ですので、もちろん拒否することも可能です。しかし、実際に犯行に及んでいた場合は、任意同行が逮捕の前段階として行われていると考えたほうがよいでしょう。かたくなに拒否することによって、逃亡や証拠隠滅の可能性があると判断されてしまい、逮捕状が発行されてしまう可能性もあります。

    ひとりで警察署へ向かうとなると、緊張してしまう、怖いと感じて躊躇してしまう方もいるでしょう。ベリーベスト法律事務所では、弁護士が任意聴取に同行するサービスを行っています。受け答えなどのアドバイスなども行えるため、相談してみることをおすすめします。

3、逮捕前に刑を軽くする方法はある?

逮捕される可能性が濃厚な場合、罪を悔いていても、さまざまな影響を考えて少しでも刑を軽くしたいと思うものでしょう。そのようなときは、次の方法を検討してみてください。

  1. (1)自首

    盗撮行為に限らず、自首することによって反省をしているとみなされ、情状を酌量してもらえることがあります。

    犯した罪における量刑は法令や条例によって定められていますが、そこにはある程度の範囲が設けられています。罪を犯した理由にやむを得ないものや同情の余地がある場合、あるいは加害者に十分反省の色が見える場合等具体的事情に応じた対応ができるようになっているのです。

  2. (2)被害者との示談交渉

    被害者との示談交渉を済ませておくことも刑を軽くする方法のひとつです。

    示談交渉は、当事者同士の交渉であり、示談交渉がうまくいけば相手は被害届を取り下げるといった可能性も考えられます。しかし、街頭での盗撮のような性犯罪については、示談交渉は成立しにくいといわれています。被害者からすると加害者の顔など見たくもなければ、個人情報は知られたくないというのが自然でしょう。しかし、そのような状況では交渉以前の問題になってしまいます。

    もしどうしても示談交渉を行いたいという場合、自分ではなく弁護士に依頼して代わりに交渉してもらいましょう。刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば、被害者の心情を考慮して適切な交渉を行うことができます。

  3. (3)逮捕されてからの流れ

    盗撮行為によって逮捕された場合、まず警察は48時間以内に検察に身柄を送検するかどうかの判断を行います。その際に送致不要ということになれば釈放されますが、検察に身柄が送られた場合、そこから24時間以内に勾留するか否かの判断が下されます。

    勾留が決定された場合は最大20日間身柄を拘束されることになりますので、その間は外に出ることはできません。早期釈放、減刑を望むのであれば、なるべく迅速に弁護士を探して指示を仰ぐなどの行動に移したほうがよいでしょう。

4、まとめ

以上、盗撮行為が発覚した場合、どのような流れになるのか説明しました。

もし自分が犯した盗撮行為によって逮捕される可能性がある場合、なるべく刑事事件の経験豊富な弁護士を見つけ相談することが大事です。弁護士に相談することで、逮捕される前にできることをアドバイスできますし、逮捕後にも不起訴や執行猶予などを目指した弁護活動が可能です。

それ以外にも、職場や学校などへ足を運び、不当な対応をしないよう依頼するなど、さまざまなサポートを行うことができます。盗撮をしてしまい、当日は逮捕されなかったものの後日逮捕されるのではないかと悩んでいる方は、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスで相談してください。できるかぎり将来に大きな影響を残さないよう、状況に適した弁護活動を行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています