旦那が盗撮で逮捕されたら、家族はどのように行動すべき?
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携帯電話やスマートフォンによって私たちの生活は大変便利になりました。その反面、それらを利用した犯罪も増えています。平成26年には茨城県警の警部補が、渋谷で女性のスカートの中をカメラ付き携帯電話で撮影しようとしたとして、東京都迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されたと報道されています。
カメラ付き携帯電話やスマートフォン以外の方法の手口でも、盗撮の被疑者として逮捕される事件は少なくないようです。もしもあなたの夫が盗撮をした容疑で逮捕されたという連絡が警察から来たら……。妻としてどうすればよいか、大変悩まれることでしょう。
家族はどのように行動すればいいか、法律や、逮捕後の流れなどの紹介を交えながら、水戸オフィスの弁護士が解説します。
1、盗撮行為によって問われる罪の種類
盗撮を行った場合、「盗撮罪」という名前の法律で逮捕されるわけではありません。その手口や状況によって、処罰の根拠となる法律が変わってきます。 順に見ていきましょう。
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(1)迷惑防止条例違反
不特定多数の方が出入りする場所、たとえば駅のエレベーターや階段などで盗撮行為をした場合、迷惑行為防止条例違反に該当します。
迷惑防止条例は法律ではないものの、各自治体が住民の安全や節度を守るために設けているものです。罰則も定められていて、違反した場合は逮捕される可能性があります。
茨城県で盗撮による迷惑防止条例違反の罪に問われ、有罪となったときは、「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」の罰則が科されることになります。また、常習の違反者に対しては、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」と設定されています。 -
(2)軽犯罪法違反
上述した迷惑行為防止条例違反は「不特定多数の方が出入りする場所」で盗撮行為をした場合に限定されますが、それ以外の場所で盗撮した場合はどうなるのでしょうか? たとえば、邸宅に侵入し、浴室をのぞいて入浴中の女性を撮影するなどの場合は、軽犯罪法違反で処罰されることになります。 量刑は、「拘留または科料」と制定されています。
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(3)その他
前述した事例で、他の罪が思い浮かんだ方もいるのではないでしょうか。盗撮はやり方によって、他の罪にも該当する場合があります。
●住居侵入罪
誰かが居住している住居に許可なく立ち入った際に処罰される犯罪行為です。
●建造物侵入罪
居住用住居ではない建物に許可なく侵入した場合、建造物侵入罪として処罰されます。
●児童ポルノ法違反
児童に対して性的な行為やそれに類する行為の斡旋などをした際に処罰される犯罪です。この場合、盗撮した事実だけでなく、撮影した児童の画像を所持することによる「単純所持」が問題になるケースも考えられます。
このように、盗撮は特定の法律で処罰されるだけではなく、非常に幅広い罪を内包する犯罪なのです。
2、盗撮で逮捕された後の一連の流れは?
次に、盗撮で逮捕された後、どのような手続きがあるのか、その流れを見ていきたいと思います。
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(1)取り調べ
盗撮の容疑で逮捕された場合、まずは警察による取り調べが行われます。期間は、逮捕後48時間以内と決まっています。
その後、さらなる取り調べが必要だと警察が判断した場合、逮捕後48時間以内に被疑者の身柄は検察に送致されます。ここで、嫌疑が晴れたなどの理由で送致されない場合は釈放という形になりますので、被疑者は晴れて自由の身となります。しかし、嫌疑が残る場合は、事件のみ検察に送致され、在宅事件扱いとして捜査は続行します。警察や検察の呼び出しに応じ、捜査の協力をする必要があるでしょう。 -
(2)勾留
被疑者の身柄が検察に送られた後、検察がさらに取り調べが必要であると判断した場合は、24時間以内に裁判所に勾留請求を行います。なお、逮捕から勾留が決まるまでの間、原則、弁護士以外の者との「接見」は認められません。接見とは、面会して話をしたり直接差し入れを渡したりすることなどを指します。
裁判所が勾留請求を認めた場合は原則10日間、延長が認められれば、最大で20日勾留されることになります。犯罪をおかした疑いが高く、証拠隠滅や逃亡を図る可能性があると判断された結果、勾留となるケースが多数を占めます。したがって、一般的にこの間に解放される可能性は少ないと考えられます。 -
(3)起訴
勾留されている期間中、検察は被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定します。不起訴の場合は釈放になり、前科がつくことはありません。晴れて自由の身となります。
しかし、起訴という判断になるとさらにひと月程度の起訴後勾留が行われることもあるでしょう。その後、刑事裁判が開かれますが、それまでの取り調べで容疑者は心身ともに疲れ果ててしまうケースが多くあります。また、そのような状態で裁判を受けると、やってもいない罪まで認めてしまったことから裁判が不利になり、不当に重い罪が科せられてしまう可能性も考えられます。また、身柄の拘束が長引けば、長期間仕事ができないなど、将来に影響を残してしまう可能性もあるでしょう。
逮捕から取り調べ、裁判に至るまで、被疑者は日常とは異なる生活を強いられることになります。その結果、精神的にも肉体的にも非常に消耗してしまうケースは少なくありません。したがって、できるだけ早めに釈放されるよう、努力することが必要になります。
3、少しでも早く事件を解決するためには?
夫が逮捕された場合、少しでも早く釈放されるために、家族はどうしたらいいのでしょうか?
何よりも家族が重視すべきなのは、時間です。勾留が決定される前に釈放されるよう、弁護士に依頼することが重要になります。
なぜなら、勾留が決定されてしまうと、最大20日の間取り調べが続くことになります。その間に被疑者が精神的に追い詰められてしまうことも問題ですが、長期間身体を拘束されてしまうことにより、職場や学校などにも事情が知られ、社会生活にも支障が出る可能性があります。
家族などによる一般接見が許可されるのは勾留が決まってからのため、
逮捕から勾留までなすすべもないまま長期間拘束されてしまうこともあります。その後の裁判も、不利になってしまう可能性があります。
しかし、弁護士であれば弁護士接見という形で逮捕後72時間以内でも被疑者と会うことが可能です。専門知識を持った弁護士に相談することで精神的な支えを得て、早期解決に向け、今後の方針を相談することができます。
盗撮事件では被害者の特定が難しく、当事者同士での示談が成立する可能性が低いという事情があります。つまり、示談などで釈放される可能性は低いと考えられます。したがって、勾留を避けるために個人ができることは非常に限られます。あなたの旦那が逮捕されたという事実を警察から知らされた場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。
4、まとめ
もし夫が盗撮で逮捕されてしまった場合、パートナーに裏切られたショックに加え、今後の生活の心配や子どもへの影響などを考え、パニックを起こしてしまってもおかしくはありません。
しかし、刑事事件の多くは逮捕後可能な限り速やかに行動を起こすことで、受ける傷を最小限に抑えることができます。
盗撮事件や刑事事件に対応した経験が豊富な弁護士に相談することで、早期釈放という可能性もあるでしょう。何より法律の専門家によるアドバイスを仰ぎながら行動できることは、非常に心強いものです。
冤罪などの可能性もありますので、ひとりで思い悩むよりも、なるべく迅速に弁護士に相談されることをおすすめします。盗撮問題でお困りの方は、ベリーベスト法律事務所・水戸オフィスへまずはご相談ください。スピード対応で、あなたの旦那が不当に重い罪が科されることを回避します。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています