オレオレ詐欺の受け子で逮捕された! 刑罰や逮捕後の流れとは?
- 財産事件
- オレオレ詐欺
- 受け子
警察庁の広報資料によると、令和2年のオレオレ型特殊詐欺の認知件数は9257件、被害額は168.8億円と、いずれも前年より減少しています。しかし、オレオレ詐欺は0になったわけではなく、茨城県内でもいまだにオレオレ詐欺の電話が確認されています。
オレオレ詐欺は立派な犯罪であり、もし受け子をしてしまった場合には逮捕される可能性は高いと言えます。警察は、常時オレオレ詐欺の検挙に力を入れており、アルバイト感覚で加担してしまうと後悔することになりかねません。
この記事では、オレオレ詐欺の受け子をして不安を感じている方向けに、オレオレ詐欺の刑罰や逮捕後の流れについて解説します。
1、オレオレ詐欺とは
まずオレオレ詐欺とはどんな行為か、どんな罪に問われるのか解説していきます。
-
(1)オレオレ詐欺とは、どんな犯罪?
オレオレ詐欺とは、家族になりすましてお年寄りなどに電話をかけ、お金を指定口座へ振り込ませる手口の犯罪です。特殊詐欺に分類され、振り込め詐欺と呼ばれることもあります。
最近は手口がさらに巧妙になり、警察官や債権者を装って電話をかけるパターンもあります。一般的にオレオレ詐欺では、被害者に電話をかけてだます「かけ子」と銀行口座から振り込まれた現金を引き出したり、被害者から直接現金を受け取ったりする「受け子」など、役割を分担して詐欺行為が行われます。 -
(2)オレオレ詐欺の刑罰
オレオレ詐欺の受け子をすると詐欺罪が成立し、10年以下の懲役が科されます。詐欺罪は人をだまして財産を奪う悪質さから、重く処罰される犯罪です。
特にオレオレ詐欺は、実行犯の後ろに犯罪組織が存在するケースが多く、指示を出しているリーダーも詐欺罪で厳しく処罰されます。また、未遂に終わった場合でも未遂罪として処罰される可能性があります。
実際に、平成30年2月に東京で息子になりすまして現金をだましとろうとした消防士が詐欺の疑いで逮捕されました。幸いにも被害者は現金をだましとられることはありませんでしたが、詐欺罪の未遂容疑で逮捕されています。このように被害者から現金をだましとるのに失敗しても逮捕されることになります。 -
(3)量刑はどのくらいになるのか
刑法に規定されている詐欺罪の刑罰は懲役10年以下ですが、実際にどのくらいの量刑になるかは、事件の内容によって変わってきます。ポイントは詐欺による被害金額と、詐欺の様態の2点です。被害金額が大きかったり悪質な犯行であったりすると重い刑罰が科せられる傾向があります。
2、オレオレ詐欺で逮捕された後の流れ
それでは、実際逮捕された場合はどうなるのでしょうか。ここでは、逮捕された後の刑事手続きについて解説します。
●逮捕~警察での取り調べ
受け子は現行犯で逮捕されるか、別の事件から芋づる式に逮捕される可能性などがあります。オレオレ詐欺は組織的な犯罪であるため、窃盗などに比べると厳しい取り調べを受けることになるでしょう。
警察による取り調べを受ける間は基本的に家族と会うことはできません。また、警察による取り調べは48時間以内に終了し、検察へと送られます。
●検察への移送~勾留
警察から検察へ移送されると、検察官が取り調べを行い、24時間以内に勾留(身柄拘束を続けること)するかどうかの判断を下します。組織的犯罪は証拠隠滅のおそれがあることから、オレオレ詐欺の受け子でも10日間から20日間にわたって勾留される可能性があります。証拠隠滅のリスクがあるため、勾留期間中も接見禁止がつき、家族との面会が認められないこともあるでしょう。
また、警察での取り調べと同じように、厳しい取り調べを覚悟する必要があります。
勾留は最長20日間続き、検察はその間に起訴するかどうかを判断します。
●起訴~刑事裁判
検察が起訴を決定すると、刑事裁判の手続きへと進みます。裁判はすぐに行われず、裁判まで起訴後も勾留されることが一般的ですが、保釈金を支払えば釈放される可能性もあります。
3、受け子をして逮捕された方に弁護士ができること
オレオレ詐欺の受け子をして逮捕された場合、早期に弁護士へ弁護を依頼しましょう。警察で取り調べを受けているときは家族と会うことができず、会えるのは弁護士に限られます。弁護士に依頼すれば、以下のようなサポートや弁護活動を受けることができます。
-
(1)取り調べのアドバイスができる
弁護士は取り調べにおける、供述の仕方のアドバイスが可能です。オレオレ詐欺のような組織的犯罪の場合、いい加減な供述をしていると虚偽の供述をしていると警察から疑われてしまいます。虚偽の供述をしていると判断された場合、状況が不利になり執行猶予となるのが難しくなってしまうことがあります。
-
(2)被害者との示談交渉
被害者との示談が成立すると、刑事手続きで有利に働く可能性があります。示談を成立させるには、被害者への賠償と謝罪をする必要がありますが、警察が被害者の連絡先を教えることはまずないことから、家族が被害者と連絡を取り示談交渉をまとめるのは現実的とはいえません。
弁護士に依頼し示談成立を目指しましょう。早い段階で被害者との示談がまとまれば、検察官や裁判官の心証は良くなり、不起訴執行や執行猶予がつく可能性がみえてきます。
4、まとめ
詐欺は刑罰が重く、逮捕されてから身柄を拘束される期間が長くなる可能性が高い犯罪です。アルバイト感覚でオレオレ詐欺の受け子をしてしまったら、未遂でも罪に問われます。詐欺に加担してしまい、不安がある場合は早い段階で弁護士へ相談することをおすすめします。
オレオレ詐欺で逮捕されるかもと不安を感じている方は、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスまでご連絡ください。水戸オフィスの弁護士が全力でサポートさせていただきます。
- この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています