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相続した不動産に占有者が! 占有トラブルの解決法とは

2021年07月19日
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相続した不動産に占有者が! 占有トラブルの解決法とは

相続で取得した不動産を何者かが不法に占有していたり、他の相続人が住んでいたりする場合、どのように対応すべきか悩まれることかと思います。相続する不動産のことをよく把握しないまま相続した場合に、実際に現地を見てみたら、誰かが住んでいて驚く、などということもあるでしょう。

このような事態となった場合に、占有している相手を追い出すのがいいのか、放っておくのがいいのか、はたまた賃料を請求すべきかなど、選択を迫られることになります。

この記事では、相続した不動産に占有者がいた場合、どのように対応すべきかについて解説します。

1、不動産の占有をそのままにしておくリスクとは

何者かが占有している不動産について、立ち退きを求めるのが面倒だったり、しばらくその不動産を使うつもりがないからといって、ほったらかしにすると、法的なリスクが高まってしまいます。

  1. (1)不動産がいつのまにか他人の物に!?

    占有者が動産や不動産を長期間自分の物として占有した場合には、「取得時効」が成立し、自分が所有していた物であっても、占有者に所有権が移ってしまうことがあります

    取得時効とは、一定期間の経過によって権利が取得される制度です。

    民法162条により、20年間、自分の持ち物だと思って、平穏かつ公然と他人の物を持っていた場合には、時効によりその所有権を得ることができます。また、その持ち物が他人の物だと知らず、かつ知らなかったことに過失がなかった場合は、その取得時効の時間は半分の10年となります。

    取得時効が成立するためには「所有の意思」をもって、占有を開始していることが要件です。これは自分の所有物として占有する意思のことです。したがって、たとえば賃貸借契約に基づいて占有している人がいたとしても、それは自分の物ではなく他人の物を借りて占有しているという認識なので、所有の意思は認められません。

    相続した不動産が他人に取得時効されてしまう例としては、以下のような例が考えられます。

    【例】
    Xは、相続により土地を取得したが、長年放置していた。その間に、何者かがその土地の所有者であるかのような登記簿などの偽造書類を作り、それを信じたYにその土地を売った。

    Yはその後、その土地上に建物を建て、20年以上住み続けた。

    その後、Xは自分の土地に知らぬ間にYが家を建て、住み着いていることに驚き、Yに対して土地の明け渡しを求めた。しかし、Yは、20年間、所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物であるその土地を占有したため、取得時効が成立していると主張した。

    そのため、Xは、気づかないうちにその土地の所有権を失うことになった。
  2. (2)建物の老朽化によるリスク

    相続した不動産が建物だった場合、建物の老朽化によるリスクも考えられます。

    建物に誰も住んでいないとしても、ほったらかしにしていると建物はどんどんと老朽化していきます。

    老朽化によって、建物が崩れ、近辺にいた人にけがを負わせてしまったり、配管をネズミなどがかじって火災が起こり近隣住民に被害を及ぼしてしまったりした場合、建物の持ち主自身がその原因に直接かかわっていなくても、被害を受けた人の損害を賠償しなければならないことがあります。それは、民法上「工作物責任」という制度があるからです。(民法717条)

    工作物責任においては、工作物(建物など)に占有者がいる場合は、第一次的には占有者が責任を負います。占有者がいないか、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたときは、次は所有者が責任を負うことになります。

    所有者の責任は無過失責任なので、損害の発生を防止するのに必要な注意をしていたとしても、責任を免れることはできません。

2、占有トラブルの解決法とは

  1. (1)強制的な追い出しはNG

    家賃も払わず居座っている住人や、勝手に占有し始めた不法占拠者であっても、強制的に追い出すのは問題があります。たとえば、住人がいない間に勝手にカギを交換し、立ち入れなくするなどの行為はするべきではありません。

    このように、法的な手続きにのっとらず、自分で自分の権利を回復することを「自力救済」といいます。原則として自力救済は禁じられており、民法上の不法行為や、刑法犯が成立する可能性があります。

    そのため、強制的な追い出し行為は、紛争の拡大につながり、所有者の方自身の首をしめることになってしまうのです。

  2. (2)不動産明け渡し請求の流れ

    弁護士が、法的な手続きにのっとって不動産の明け渡しを求める場合の流れの一例をご紹介します。

    ● 占有者との交渉
    まずは、交渉によって、明け渡しを受けることができないかを探ります

    占有者に対して内容証明郵便を送り、所有者側の要求と、今後弁護士が交渉窓口となることを伝えます。その後、占有者が交渉に応じれば、その不動産に赴いて直接面談したり、電話で話したりして、相手の言い分も確認したうえで、交渉を進めていきます。

    任意で明け渡しを受けることができれば、裁判をするよりも大幅に短期間で解決することができます。

    ● 占有移転禁止の仮処分
    交渉での明け渡しが難しい場合は、訴訟も視野に入れなければなりません。

    このとき、訴訟に先立って、あるいは訴訟と並行して、占有移転禁止の仮処分という保全手続を行う場合があります。

    これは、不動産の占有者が、明け渡しの判決が出る前に、ほかの人に占有を移転させることを防ぐためです。もし、この仮処分を行っていなければ、いつのまにか違う人が不動産を占有していたりして、獲得した判決が無意味となってしまうこともあります。

    ● 不動産明渡請求、賃料支払い請求
    交渉が不調に終わった場合には、占有者に対して民事訴訟を提起します。明け渡しだけでなく、占有した期間分の、賃料相当額の損害金を請求する場合もあります。

    不動産明渡請求訴訟においては、占有者が、占有権原をもっているかどうかが判断の分かれ目となる場合が多くあります。

    占有権原とは、その不動産を占有することができる権利のことです。たとえば、その不動産を所有者から借りている場合には、賃借権という占有権原があるということになります。相手がどのような占有権限を有していると主張しているのかに応じて、適切な対応が必要となります。

    勝訴判決確定後、占有者が自主的に立ち退けば、無事解決となります。

    ● 強制執行
    不動産明渡訴訟において、原告(所有者)側の勝訴が確定した場合であっても、占有者がそのまま居座り続けることがあります。その場合には、不動産明け渡しの強制執行の手続きをすすめます。

    強制執行をする場合には、裁判所に申し立てた後、執行官と明け渡し方法について打ち合わせを行い、執行官が占有者に対して明け渡しの催告を行います。

    明け渡しの催告では、明け渡しの期限と、強制執行を実施する日が占有者に伝えられます。催告を受けて、占有者が諦めて自主的に出ていく場合もあります。

    催告をしてもなお、占有者が出ていかなかった場合には、いよいよ明け渡しを強制的に行います。執行官らが不動産内に立ち入り、荷物などをすべて運び出せば、明け渡し完了となります。

3、相続人のひとりがその不動産に住んでいる場合

相続した不動産に住んでいるのが、他の相続人ということもあります。この場合、相続時の分割方法が原因となっていることがあります。

すでにその不動産に住んでいる相続人がその不動産を全部取得すればトラブルは少ないですが、代償金の支払いなどの関係で、それができないこともあります。

住んでいるのが相続人の場合、生前の被相続人の意思によってそこに住んでいる、というケースもあり、スムーズに不動産の明け渡しを求めることが難しいこともあります。

こういった場合には、取得時効などの問題もありますので、なるべく早めに弁護士に相談することをおすすめいたします。

4、相続を弁護士に依頼するべき理由

不動産の相続トラブルは、相続の時点で法律の専門家である弁護士が介入することで、未然に防げる場合があります。

弁護士に依頼すれば、遺産分割の方法などを工夫することによって、後にトラブルになりにくい相続の仕方をとることができます

また、相続した不動産に、誰かが住み着いているというような問題が発覚した場合であっても、弁護士は交渉・訴訟・強制執行の手続きを熟知しておりますので、安心です。

この記事では、相続した記事に占有者がいた場合の対処法についてご紹介いたしました。このようなトラブルのほかにも、相続トラブル・不動産トラブルについて、お力になれる場合があります。お困りの方は、ぜひ、ベリーベスト法律事務所 水戸オフィスにご相談ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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